接骨院・整骨院での不正保険請求問題を改めて 日指会の友【53】

 前回の更新で紹介させて頂いた柔整不正請求問題ですが、ブログ主様より紹介の了解を頂いたので、小さい紹介では申し訳ない点と、この問題点の根深さから再度改めて紹介させて頂こうと思います。

 私は指圧師で資格は「あん摩・マッサージ・指圧師」と言う国家資格です。
 昔、日指会のサイト内で掲示板や駄文として、整体などの国家資格有無問題、鍼灸・柔整のマッサージ拡大解釈、そして柔整師不正請求問題を取り上げたりした場合、「あマ指師が既得権守るのに必死に出る杭に噛み付く様で、業界内としては決して良いイメージではないですねぇ。波風は立たせない方がよろしい様ですし。」と言った感じで、我々内々では「面倒で厄介な問題点」ですので「触らぬ神(柔整問題)に祟り無し」、根深い問題で「云うだけ損、大損」と、今回も含め個人的にも何故プライベートを割いてまでキーボードを叩いているのか良く分からないのではありますが・・・

 いえいえ、良く分からないんじゃありません。
 国家資格既得権を守る為じゃあありません。
 決まった法律はあるんです。

 業として、商売として、法律やルールがあまりにも、あまりにもオカシイから単純に「このルールおかしいよ」って言っているだけです。ジャッジすべきレフリーも見てるのか見て見ぬ振りなのか、患者さんを観客と例えるなら「お客さん!このルールオカシイですよね?」って声をあげているだけです。

知らないと怖〜い整骨院の話
http://sirakowaseikotsu.blog.so-net.ne.jp/

旧:知らないと怖〜い整骨院の話
http://plaza.rakuten.co.jp/sirakowaseikotsu


 こちらのサイト主さんは孤軍奮闘されている訳ですが、日本の手技療法業界の健全化だけに留まらず、社会問題化している国民健康保険破綻状態の、抜本的改善の為、利用する側である国民一人一人の問題意識を自覚して貰う為、最低限良識ある業界内の治療師同士で、もう声をあげるべき時期です。(手遅れとの声もありますが、まだ間に合います。おかしいと考えるなら声を上げるべきです。)


 さて、続きまして。(夏期休暇でお休みを頂いたり、バタバタしていまして溜まった更新駄文を以下に続けます。)


 「勉強会へ行こう」で紹介して頂いたりしてお世話になっている医道の日本さんの「医道の日本 2011年8月号」が出ました。(以前、日本指圧師会が紹介された時にコチラでも紹介すれば良かった・・・)
 今回、医道の日本誌を紹介しますのも「第5回現代鍼灸業態アンケート集計結果速報」が掲載されているからです。このアンケート集計は「㈳全日本鍼灸学会」によるもので、その名の通り「鍼灸」を主にした、日本の鍼灸の実情を知る為のアンケートです。

 日本指圧師会で鍼灸の業態アンケートを取り上げるのも「お門違い」が否めませんが、実のところあん摩・マッサージ・指圧も、鍼灸も、柔整も、境界線が曖昧なのはご存知の通り、「手技療法」の括りで業界を捉える際に私の様な指圧師でも大変に参考になるアンケートですので、これはあマ指で臨床に携わり、今後もこの業界で働いていこうと考える治療師の方々にも紹介しておこうと考えました。

 あマ指師にはお門違いかなと先に書きましたが、このアンケートは医道の日本誌の協力で、読者の中から無作為に抽出した1000人にアンケートを発送、回収率40%弱からのものではあるが、「あはき」「鍼灸」「あマ指」の資格以外等の結果も含まれており、鍼灸業界だけでない日本の東洋医学業界、手技療法業界の実情や、臨床に携わる治療師の意見が纏められ、お門違いどころかドンピシャで指圧師でも今後の「自身の方針」「指圧師の身の振り方」の参考になる、有益な情報です。

 主なアンケート内容はそれこそ多岐にわたって、30ページ以上で掲載されていますので詳しくは医道の日本誌にてご覧になって下さい。
 研修会などに参加する機会も少なかったり、学究団体に所属しない治療師の方の場合、同業での情報交換や広い視野で業界を伺い知る機会はそうそうありませんが、今、業界がどの様になっているか、同業者はどの様に考えているかなど、大まかな形を見て取れますので是非、特に2、30代辺りのキャリアの浅い治療師には読んでもらいたいですね。そしてどう思われたか、どう考えたか、大変に興味があります。

 ※今回のアンケート記事は速報であり、詳細と分析は12月号に掲載されるそうです。

 医道の日本サイト
 http://www.idononippon.com/


 【その他の雑記】

「マッサージ:無資格者が実技指導 生徒の腰悪化 都内」 毎日jp
ちょっと前の報道です。都内のあマ指養成学校の実技教員が生徒が腰が悪いというので良くしてあげようと善意も兼ね、実技のモデルにしたのでしょう。しかしながら、その生徒の腰の症状が悪化、そして実技教員の教員資格が期限切れだった為「無資格者が実技指導」との見出しとなった訳です。少し前のニュースです。
そして。
歯科医師によるインプラントの現状」
 インプラント治療は、例えば、1週間のインプラントメーカー主導の講習を受けただけの未熟過ぎる歯科医師が治療を行う局面も十分考えられる―――
 こんな報道がここにきてされてきました。どこかに似た様な問題を抱える業界がありますね。整体や療術、カイロプラクティックオステオパシーリフレクソロジー、リラクゼーション関連業です。新興の業態に対して、国はあらゆる面に置いて「放ったらかし」の現状がよく分かります。


足湯施設の25%からレジオネラ菌 法規制の対象外
 温泉地で人気の足湯を、古畑勝則・麻布大准教授(環境微生物学)が全国125カ所で調べたところ、その4分の1から肺炎などを引き起こすレジオネラ菌が検出された。足湯は公衆浴場法など法規制の対象外。古畑さんは「足を入れるだけで病気になるとは考えにくいが、汚れは望ましくない。足湯の設置者が責任を持って衛生管理すべきだ」と訴えている。
 全国28都道府県の温泉地にある足湯のうち125カ所を2009年から今年までサンプル調査。25%にあたる31カ所からレジオネラ菌を検出した。足湯には衛生管理の基準がないが、銭湯やホテル、旅館の浴場など風呂の水に関する厚生労働省の指針では、レジオネラ菌は検出されてはいけないことになっている。
 125カ所中61カ所では大腸菌群も調べ、11カ所(18%)で1ミリリットルあたり2個以上を検出。最も高い所は120個だった。風呂に関する厚労省指針では、大腸菌群は1ミリリットル中1個以下としている。
http://www.asahi.com/national/update/0730/TKY201107300148.html?ref=rss

そう言えば足湯も「新興サービス」でなんら法的なルールはなかったですもんね。

モデル殺害容疑、男を逮捕 別の事務所でも派遣依頼か
 モデルの大学生を殺害したとして、愛知県警は愛知県一宮市時之島、派遣社員丹羽雄治容疑者(45)を殺人容疑で11日逮捕し、発表した。丹羽容疑者は整体院の経営者を名乗り、「整体院で使う写真のモデルを派遣してほしい」とモデル事務所(名古屋市)に依頼していたという。県警は、わいせつ目的で被害女性に会い、トラブルになったとみている。
 一宮署によると、丹羽容疑者は10日午後3時ごろ、自宅2階で名古屋市西区の大学生、朝日なつみさん(21)の首を折り畳みナイフで刺すなどして殺害した疑いがある。丹羽容疑者は11日早朝、軽乗用車の助手席に被害女性の遺体を乗せ、同県警犬山署に自首した。
 被害女性は雑誌などの撮影モデル。所属事務所によると、丹羽容疑者から5日、モデルを撮影したいと依頼があった。郵送したモデル5人の写真から、丹羽容疑者が被害女性を指名。被害女性は事件当日の10日、1人で丹羽容疑者と一宮駅前で待ち合わせることになっていたという。
 また、丹羽容疑者とみられる男が事件前、長野県と東京都のモデル事務所にも女性の派遣を申し込み、断られていたことが、全国の事務所が加盟する日本モデルエージェンシー協会(東京都)への取材でわかった。
http://www.asahi.com/national/update/0813/TKY201108130353.html?ref=rss

整体院で使用する写真のモデルを?こんな事件1件だけでも「整体」の看板の泥が厚く塗り固められます。







*指圧・整体の民間学術団体 【日本指圧師会】は随時、入会を受け付けています。
指圧・整体の業界の治療師はもちろん、あマ指養成学校の学生さんでも大歓迎です。
柔整師、鍼灸師、民間の整体の方々も在籍しておりますが、本年は特にあん摩、マッサージ、指圧を行っている「あマ指師」の方で、手技療法界に対する健全化に力を貸して貰えたらと思います。もちろん治療技術向上の為の、研修会での臨床手技発表をして頂ける会員さんもお待ちしております。

 日本指圧師会 事務局
 HP : http://www.nisikai.com
 E-Mail : info@nisikai.com