雇われと独立の比率。その実際とは？ 日指会の友 【４７】
大雪、新燃岳噴火、鳥インフルエンザ、中東チュニジアやエジプトの革命、相撲の八百長騒動からの相撲協会の存続危機やと、大きな問題が次から次へとと報道されています。
ここ数十年の流れから、大きな変革時期に世界が突入しているのは明白となり、日本国内に於いてもありとあらゆる分野で「白か黒か」の明確な線引きをしなければならないとなってきました。グレーな部分が世界的な価値観で排除されてきました。「なぁなぁ」「まぁまぁ」じゃ糾弾されます。
相撲協会の報道を見聞きしていますと、日本の学校法人とか宗教法人といった法人資格という既得権の大きな見直しも近いんだろうなぁと感じる次第です。
「白か黒か」のキッチリとした線引きが必要なのは分かりますが、何でもかんでもキレイに線引き出来るものでしょうかね？早急で慌てた線引きで世の中や社会が白黒付けられますかねぇ。
あ、指圧・あん摩・マッサージにおける線引きは早急に必要ですよ。定義等もしっかりしていますし、既得権益、営利目的の「白でも黒でもない」灰色領域が幅を利かせ過ぎましたからね。
あぁそうだ。
あん摩・マッサージ・指圧や鍼灸に携わる国家資格者を管理する「東洋療法研修試験財団」は白なんでしょうか？黒なんでしょうか？歴代の理事が誰であり何人居て、国からの予算がいくら流れてどの様な活動をしている組織なんでしょうかとか、ご存知ですか？あ、興味ないですか？そうですか(笑)
さて、今回も新聞からの記事で。
「『名ばかり事業主』に待った 蛇の目ミシン委任販売員 労基署が是正勧告」
会社の指揮命令下にあるのに個人事業主扱いされている「名ばかり事業主」が増えている・・・（平成２３年２月８日 東京新聞朝刊）
「雇用保険、社会保険、残業代などコストを削減したい会社側にとって都合の良い形態。違法な日雇い派遣への規制が強まった事に伴い、新たに増加傾向にある」と記事にあります。記事中「派遣ユニオン」によると、同様の形態は訪問販売だけでなく、トラック運転手、学習塾講師、理容師、コンピュータープログラマー、バイク便など様々な業種に拡大していると書かれています。
学生の就職難や労働環境悪化が近年の日本では社会問題となって久しいですが、経団連や会社、株主主導の日本経済そのものの病巣と各方面から指摘されながらもダラダラと放置され、今回の様な記事も世間の関心は低いままですね。
この名ばかり事業主、マッサージ業では以前から結構な数で根付いていましたね。
「派遣マッサージ業なども良いが、治療目的の施術を行う場合、独立開業を目指すと良い。治療師としての知識と技術は独立開業を目指す、目指さないで大きく差が出る」とは昔から日本指圧師会研修会にて、多くの先達治療師が口にしていました。
しかし指圧師の独立開業と言うものは年々難しい世の中となっているのが実情で、ライバルとなるは、あマ指師だけでなく、鍼灸師（補助的にマッサージを行うが、限度を超えているケースが増えている）、柔整師（悪質な現状で言わずもがな。整骨院・接骨院での数百円でのマッサージ業はあマ指師を駆逐したと行って良い）、整体やカイロプラクティック、リフレ等（国家資格外の手技療法）と、２０年前辺りの業界では考えられない程の厳しい世界です。
「マッサージマシンなんかなりたくない。マッサージマシン化して自分の身体壊して仕事辞める人間をゴマンと見て来たんだ」
「勤務時間だけ『慰安目的に揉む』為にあマ指の国家資格取ったんじゃない！でも・・・食ってく為には仕方がないんだ。」
「現在、あマ指師免許取得に勉強頑張っています。でも専門学校での就職斡旋先は訪問介護マッサージばかり。治療目的の指圧をやりたくてあマ指専門学校に入学したのに。教室での同級生との話題は免許取得後の就職先」
上記の声はごく一部であり、任意参加である日本指圧師会に接点ある人達のリアルな本音なのです。甘えたりサボったりじゃなく、あマ指師国家資格レベル以上を目指す真っ当な考えの人々です。（既得権益にしがみつく、勉強しない、甘い考え等といった人間の戯言は、耳に入ってもすぐ抜けて行きますから無関係ですがね。直ぐに仕事も辞めて行きますし）
何故、ごく当たり前で真っ当な「指圧師への道筋」が、こんなにも暗い事になっているのでしょうか？
私達指圧師のこれまでにも反省点は多々ある事でしょうが、政治や行政、関連法人のいい加減な扱いである点も責任問題として無視出来ません。
体にいいと信じられ、今尚続けられている世界各国の代替医療行為の画像特集
泥風呂、吸角、瀉血、ヒル・サソリ・蜜蜂療法、鍼灸、頸椎牽引、呪術・まじない、イルカセラピー。
発展途上国などの野蛮とイメージされるものも、先進国で別の形で盛んに用いられている事をご存知でしょうか？
「グッドデザイン賞」は、僕でも取れるのか？（ガジェット通信）
健康補助食品とも呼べない様な代物で、肩書きに「モンドセレクション受賞」とうたっていたり。金で買えるこういった「肩書き」は、「トクホ」と一緒に再考の必要がありますよね？
「そう言ったものに引かれる層の為の肩書きなんだから目くじら立てなさんな」と、ちょっと前は言われたかも知れませんが、いよいよ放置じゃマズいと感じるのが真っ当じゃないでしょうか。
