日指会の友【63】

長く更新が滞りました。


去年の「指圧 次の一歩へ 4」で根本的な問題点を羅列し、ある程度の目的のめどまで紹介出来たのと、個人的多忙も重なりましたのでお休みを頂きながら様子見をさせて貰っていました。
手技療法に関する細かい記事や事件等、これまでなら紹介して来た事も多々ありましたが、あまりにも指圧を取り巻く環境の混乱が進み、いちいち取り上げてもいられない時代の変化も実感していました。

「指圧」の為に出来る事。

久々の更新ですが、再び、指圧師同志で深く話し合えるテーマを少しでも提供出来たらと、注目すべき最近のポイントの紹介をしたいと思います。



医道の日本誌での「東京医療専門学校における 続指圧指導法」岡本雅典先生の連載が良いですね。
 4月号では指圧での拇指押圧の指導法と考察が纏められています。最初の学生のうちに、この基本中の基本がこのレベルで学べるのは良い事です。(と引用し、私は暗にこれまでの指圧養成学校での教育レベルと内容も批判しています(笑))
(反面、個人的感想ですが、特集記事「統合医療鍼灸」は臨床治療師からは机上の夢物語的でパッとしませんでした)


自民党マニフェスト

169 鍼、灸、あん摩・マッサージ・指圧治療の充実
 国民が鍼、灸、あん摩・マッサージ・指圧治療を身近な治療法として、介護分野を含めさらに利用できるように、制度の整備に努めます。また、専門性とさらなる技術の向上を積極的に支援します。


168 柔道整復師の活動の支援


 これです。今までは見向きもされない中途半端な国家資格だったあん摩・マッサージ・指圧資格も、自民党マニフェストに加えられ、私達指圧師も今一度、真摯に指圧に向き合う時が来ました。
とにもかくにも60年、指圧は進歩、発展がされないで来ました。これを抜本的に見直す時期です。
国立の医療研究所設立へなどの話も耳にしますが、あん摩・マッサージ・指圧は医業の国家資格であり、これからの時代、予防医学の大きな一翼として指圧はさらに技術、理論の研究を急ぐべきです。誰が行うか、私達指圧師が行うべきでしょう。

 合わせて整骨・接骨院の不正問題も日に日に増している、柔道整復師マニフェストでは言及されています。この不正請求の問題は、悪質な柔整師の不正請求が注目を浴びる程に、訪問マッサージ業の不正も多く明らかになっています。「破綻状態の保険制度に集る」この健全化、不正の出来ない仕組み作りに協力しましょう!ちょうど政府の意見募集フォームがありますので、そこから私達(治療師側も患者側も)の声を届けましょう。

 社会保障制度改革国民会議 御意見募集(個人用)
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokuminkaigi/goikenbosyu_kojin.html



○事実や証拠が明るみに出て来る程、うやむやに出来なくなって来ています。
 時間の関係で纏める事も出来ないでいますが、あん摩・マッサージ・指圧と療術、昔から議論されて来た資格問題ですが、ツイッターで医道の日本1月号の芦野先生の紹介された「あん摩 はりきゅう 柔道整復等 営業法の解説」を読みましょうと紹介したり、こちら()の先生がブログで分かりやすく纏められている通り、「医業と医業類似行為最高裁判決がどうのこうの、職業の自由うんぬん、様々な意見から議論もされ、それぞれの時代背景から「面倒な件」とされてきた資格問題、これまで公になかった事実、見る事も無かった資料が広く知られる事になって来ました。
 この件も私の時間の都合もあり、簡素に纏められませんが厚生労働省の後援や、国の会議にも参加されて来ている療術師会のこれら資格問題に関する公式見解が急がれる形になっています。
あん摩・マッサージ・指圧団体、療術やカイロ団体、管理監督責任と説明責任はあります。
(ちなみに、残念な事は、この「あん摩 はりきゅう 柔道整復等 営業法の解説」の復刻出版に鍼灸や柔整の先生方が主導であり、指圧師が何もしていない点であります。だから指圧師は・・・と言われても仕方が無い訳です)




「小顔矯正」表示は不当 美容整体協会に措置命令  一般社団法人美容整体協会
美容整体協会 「小顔矯正 Webサイト不当表示」 景品表示法違反
http://www.recall-plus.jp/info/21916

 正直、「整体」は社会的に「ダメ」になっているのではないでしょうか。60年前と同じ事を繰り返しているのは明白なので、早急な改善策を行政主導で行わなければならないでしょう。法外だから放任は行政の職務怠慢。



この柔道事故問題の勉強会内容から手技療法業界が学べる多くの点があるので紹介します。

第2回 柔道事故勉強会 〜軽視される子どもたちの《命》〜 (前)
http://www.janjanblog.com/archives/62239

 〔仮定3〕 日本が「柔道指導者」になるための講習380時間以上を義務づけ、死亡事故がゼロであるのに対して、ある国が2〜3日の講習でインスタントに有段者を増やしていたとする。同時に、その国では過去20数年で110人を超える子どもたちが柔道事故で命を落としていたら、柔道母国ニッポンは、その国にどういう改善を求めるだろうか。

 この〔仮定3〕は、なかなか答えにくい。なぜなら現実には、「柔道指導者」になるために「生理学」「解剖学」「救命方法」「精神教育学」など実に380時間以上の講習と厳しい国家資格試験を義務づけ、死亡事故ゼロなのはヨーロッパの柔道大国フランスであり、インスタントにみせかけの黒帯指導者を量産して、死亡事故を多発させているのは、柔道母国ニッポンだからだ。

 上記NHKの番組で、フランス柔道連盟のフレデリック・ルアラン氏はこう答えている。

 「選手として優秀な柔道家も、正しい受け身を指導できなければ、絶対に国家資格は得られません。生徒を危険にさらすことなく、安全に指導するのは、すべての指導者にとって、最優先の課題です。」

合わせて日本の医療を考える時に、上辺の数字データに惑わされがちですが、その数字の裏を知るのに丁度良いサンプルケースがありましたので。。。

統合失調症が多い理由(河野太郎ブログ)
http://www.taro.org/2013/04/post-1340.php

認知症の患者さんを「おとなしく」させるために使用する薬(リスパダールとかジプレキサとか)の効能(適応症)が「統合失調症」なので、レセプトに「認知症」と書いたら適応なしとして保険が通らないので、「統合失調症」という病名がつけられるそうだ。


正しい理解の為の「指圧学」への一歩を
指圧師同志、治療師同志の前向きな横の繋がりで、手技療法業界の健全化をしましょう


是非とも、様々な方のアドバイス、協力をお待ちしております。日指会会員外、治療師で無い方からも遠慮なくどうぞ。
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