日指会の友 【31】

前回、再度、代替医療に注目されている様だと書いた訳ですが、補足分と言いますか、「じゃあ指圧や整体はどうなんだ?指圧にカイロなどの骨格矯正も含まれているとか、日指会さんは言っている様じゃないか?」と突っ込まれても仕方無い文章なので、早々に補足を加えておきます。

指圧法制化は現状で失敗と言わざるを得ない。
この(愚痴とも言える)一言は、今日の指圧の定義の曖昧さを指しています。指圧師共通の認識や手技が無いのです。いえいえ、当初はあったんです。今では曖昧に失われたと言う事です。目的も治療目的なのか、慰安目的なのか、これも曖昧。この指圧定義は「あん摩、マッサージ、指圧」と言う国家資格の枠で、次回簡単にでも考えてみたいと思います。

長い間、国費も投入され研究されているのが指圧です。ですから存在が曖昧だとは云え、治療目的で行う際の「得意とする症状」も養成学校では教わるのです。(大まかですがね)

あん摩・マッサージ・指圧の教科書で云う得意とする症状「適応症」を紹介しておきます。医学的見地から、これらには医療効果が見られるだろうと云うものです。これらを読んで頂くと、指圧も日本の医療の一部として、多少なりとも認めて貰っている部分であると、分かって貰え・・・ると良いのですが(笑)

60年近く、あれこれと研究研鑽されている日本古来からのあん摩・マッサージ・指圧でも、医療として治療効果を多くの方、社会一般に認めて貰う事が出来ないでいると云うのに、更に多くの民間療法、海外の代替療法を加味して考察するなんて、どれ程に難解で厳しい事になるかを知って貰わないといけないですしね。

適応症

あマ指施術は生体の全身または局所に対し、物理学的に作用して、血液、リンパ液の循環をよくし、新陳代謝を旺盛にし、運動器などの拘縮、癒着、硬結を砕き除くなど積極的に作用し、諸器官の機能を亢進させ、また神経機能と循環機能との相乗作用により自律神経を介して、内臓諸器官の機能を調節する作用があるので、健康人にあっても健康度をより高度に維持する事が可能であり、また次のような疾患に対して治療効果が期待出来るので適応症とする。
(「あん摩マッサージ指圧理論」 医道の日本社 改訂新版第2刷 より)

1・神経系疾患
神経痛、麻痺、痙攣、脳卒中後遺症、ポリオ、ノイローゼ、不眠症、ヒステリーなど

2・運動器疾患
慢性関節リウマチ、筋肉痛、筋萎縮、筋力減退、軽症の筋炎、腱炎、関節の拘縮、癒着の剥離、関節の変形、骨折・脱臼・捻挫の後遺症など

3・消化器疾患
胃下垂慢性胃炎、胃腸のアトニー、慢性腸炎、常習性便秘など

4・呼吸器疾患
気管支喘息、慢性気管支炎

5・循環器疾患
心臓神経症、局所性の充血、鬱血、貧血、水腫など

6・泌尿生殖器疾患
膀胱麻痺、膀胱痙攣、膀胱炎、乳腺障害

7・新陳代謝疾患
痛風脚気など

8・その他疲労回復、病後の体力回復など