日指会の友【66】

「多忙」を理由に更新が滞っている事が常態化している事はよろしくありません。「気付けば師走です」と書いて、そのテキストが誤って消えてしまい、意気消沈し、気付けば梅雨入り目前となっていた訳です。極々一部の日指会会員の皆さんご無沙汰しています。

急速な世の流れ、時代の変化の目まぐるしい様は日に日に、目に耳にする様になりました。このブログでも、何年もその様な事しか書いていないと思います。「じきに変化せざるを得ない事態になる」「そろそろ腐った実は落ちる」などと、我々の業界の変化の兆しは叫ばれてきましたが、ぐずぐずと大きな変化も無くこじれにこじれた諸問題を内包したままです。

こじれ、収集つかなくなってなお、、、

インターネットで分からないことは無いといいますが、「指圧」に関してはその限りではない事は業者さんには周知の事。
「指圧」とググる(グーグルで検索する)けど、全く概要や正しい意味を知る事が出来ない事は問題です。正確な情報を通常の検索で見つけられないと言う事は患者さん側だけでなく、我々指圧師にも何かと害が及びます。
「指圧」グーグル検索結果

先日も海外から問い合わせを受けたりして、エビデンスある情報、研究、論文、中立的な意見のテキスト、こういった当たり前の情報がグーグル検索では得られない。本来ならば得られなければならないものなのに。
これらは指圧・整体(療術)に課せられた課題です。
日指会サイトで少しまとめておこうと思っています。(いつも思ってばかりで仕事が遅すぎる)


〈年末の記事の名残を――〉


日指会広報(啓蒙?)としてツイッターを発信しています。実験的に始めてみましたが、「活用」という点では業界として有効な道具かと問われれば「まだまだ有効とは…」と返すのが実感です。我々の業界としてはツイッターなどのSNSはライトな情報発信と広告宣伝程度の利用が妥当といった形でしょうかね。

さて、そのツイッターや医道の日本誌に目を通すと業界内の問題点が一層浮き彫りになってきた感があります。巨人の澤村投手の鍼施術での報道は、医道の日本誌11月号特集や鍼師の指摘、疑問、矛盾が解決すること無く、鍼灸団体からの質問状に読売巨人軍が不明瞭な回答をして幕切れと、モヤモヤが多く残る結果でした。
「誰が」「澤村投手のどの様な症状に対し」「どの様な治療(施術)を行ったのか?」の問いに一切答えがない、驚くべき回答です。では何故当初の報道「鍼治療で長胸神経に障害」と報道されたのか?澤村投手の医師の診断はそもそも正しかったのか?
大事なポイントが抜けていて、半端な球団発表、一般報道は、私(あマ指)からみても鍼灸業界への安易な言い掛かりレベルで何だったんだろうなぁと感じ、且つ我々の業界や、スポーツトレーナー業の医学的立場、仕組みがまだまだ未熟なものであると痛感させられます。


続いて「医道の日本」誌の11月号、12月号で掲載された「大都市圏の柔道整復施術所におけるあん摩マッサージ指圧療法、鍼灸療法等の実態に関する調査研究 前後編」です。ツイッターでも紹介しました。この件はですね、治療師の皆さんが各自、医道の日本で表や数字に目を通して頂き、実態調査を理解した上で研修会やセミナーで議論出来たなら良いのではないかと思います。あマ指と柔整の競合に、癒やしやリラクゼーションが加わった現状では「医業である」とは言えません。


手技療法業界は60数年、指圧法制化から一歩も進んでいません。半歩も前進していません。指圧法制化は、日本手技療法のスタート地点として基礎の基礎として定められました。教育制度から、国家資格を得た後の技術研修制度まで再考しなければオシマイですよ。
その為にもせめて医道の日本で現状の一面を知っておいて欲しいものです。


日本指圧師会は“民間”の治療師のみで行っている臨床治療技術向上を目指した勉強会です。
こんな日指会が業界の60数年分の諸問題を、いつまでもいつまでも問題提起と称して発信し続けるっていうのも、おかしな事であるのですが・・・


日本指圧師会
郄木剛太


― ― ― ― ―
下書きのメモを貼っておきます。(個人的な記事用のメモです)


マッサージ師学校 新設制限は違憲か 法人が国を提訴 毎日新聞2017年2月4日 https://mainichi.jp/articles/20170205/k00/00m/040/104000c

あん摩師の養成施設「新設認めて」 学校法人が国を提訴 朝日新聞デジタル 2016年9月9日 http://www.asahi.com/articles/ASJ9872CDJ98PTIL02G.html





◯2014年9月5日 医道審議会あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会議事要旨 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000057808.html

◯2015年9月7日 医道審議会あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会議事要旨 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000097832.html

◯2016年1月25日 医道審議会あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会議事要旨 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000114138.html

◯2016年10月31日 医道審議会あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会議事録 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000144991.html

日指会の友【65】

目まぐるしく変わる世の中に、我々指圧師の環境も一昔前と比べますと大きく様変わりしました。これは臨床の治療師の皆さんは痛感している事と思います。

さて、今回久々に、こちらテキストを書きますのも、日指会本の原稿まとめに四苦八苦しておりまして、自分の脳内の整理も兼ねて指圧界隈の近頃をアレコレをメモしておこうと、そう云う訳であります。あ、いつもの通り我々業者向けです。




カイロや整体は「低価格ほぐし」ブーム並に急増する?
下の次のテキストに少し雑ですがまとめた通り、これから整骨・接骨院での治療への保険適用が来年度より厳しくなる流れです。整骨・接骨院は「柔道整復師」と言う国家資格で、平成10年辺り以降の爆発的な養成学校急増で、医師の同意無く保険診療が行える事もあり柔道整復師数は増えました。

【詳細はこちらの柔整サイトさんがまとまっています→「柔塾」さん][柔道整復師専門学校の規制緩和について確認する]



東洋医学系、特に健康保険を用いた業界は斜陽と言われ、保険診療に軸足を置いていた業者の方々は、実費での自由診療に民族大移動を行っています。あマ指はまだ介護マッサージの部門があるので危機感はゆるいですが、鍼灸、柔道整復の方々は新たな(これまでと違う)治療法を学ぶ方が多く、中でも人気なのは矢張り「整体」「カイロプラクティック」です。



その様な昨今に今年春、消費者庁から国家資格(あマ指・鍼灸・柔整)以外の手技療法に注意との公表がされました。
以下、参考に。

"法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に消費者庁 ※PDF

"これだけは知っておいて 【第31回:法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に】” 柔整ホットニュースより


空前の「癒やし・ほぐし」ブームに「整体・カイロ」ブームが到来、定着してきています。しかし世間一般の認識と、我々手技療法業界の認識は大きく乖離しています。その事は我々が1番痛感している事です。大手カイロ団体は下記の様な声明をサイトで直ぐ公表しています。


「法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に」に対する当会の見解および対応” JAC 一般社団法人 日本カイロプラクターズ協会


JACも指摘されている通り、この通達は「穴」が多く、一緒くたに「国家資格の有無」だけで注意喚起して良いものなのか疑問があります。国家資格の形骸化と低レベル化、野放しの現場を知る人ならば当然「う〜ん、分かるけど乱暴」と感じる今回の消費者庁通知です。極端な話を分かりやすく挙げれば・・・

「あそこの指圧治療院に10回通ったけど改善みられないから隣町の整体に行ったら1〜2回で症状が改善した」

「向かいの整骨院に1回数百円で電気とマッサージ受けて半年だけど全く良くならないから知人の紹介のカイロに電車に乗って治療受けに行ったら、その1回で辛さが半減した。治療費が1度の治療で8千円だったが納得出来る」

「鍼の先生に頭痛と肩こりの症状の外、小顔にも美容にも良いと通院を勧められ、5回ほど治療を受けたが効果無く、たまたま行ってる美容院でヘッドスパを受けたら頭痛も少し楽になり、顔色も良くなったのを実感した」

「そもそも1回の治療費6千円のあん摩・マッサージ・指圧の看板よりも、2980ほぐしの方が、気持ちが良いし上手」


当然、この逆もしかりですが、一般の利用者、患者側からすれば
「医業の国家資格」
「医業類似行為の無資格」
と、何十年も我々の業界で論争になっている事など、どうでも良い訳です。
それが明確化したのが今日です。


日本の手技療法が何故、国家資格の「指圧」と、民間資格の「療術・カイロプラクティック」に分断され、それに起因した問題が60年以上続いているかは、ここの駄文広報ブログでも大昔からダラダラ愚痴って書いてある通りです。何度か書いていますが・・・
現状の様な、身体に関する「医療」なのか「デタラメ」なのか、業態、名称の大混乱が戦後あり、それをキチンと区別し、医業は医業、それ以外は猶予を持たせるから業を止めなさい。としたのが「指圧法制化」だったんです。


当時、様々な手技療法を「指圧」と名称を統一し、今後、医業として発達させていきなさいとスタートさせた当時の定義が、


「指圧は古法あん摩、導引、柔術の活法に整体療法を合わせ、圧を主体とした独特の施術である」


「指圧はあん摩、導引、(柔術の)活法、を総合した経験療法として、江戸時代には民間で行われて来たが、明治時代に入り、これらの手技操作を共通するアメリカの整体術、カイロプラクティック(Chiropractic)、オステオパシー(Osteopathy)、スポンディロセラピー(Spondyrotherapy)などの療術が輸入されるにおよび、この施術を導引に取り入れ、改良して独自の手技療法として体系化し、大正時代 に指圧法として統合され、昭和30年8月にあん摩(マッサージ、指圧を含む)として法律で認められ、次いで昭和39年6月に名称が改正され、あん摩、マッサージ、指圧師として現在に至っている。」――― あん摩マッサージ指圧理論より


と、ある様に、あやゆる手技療法を統合し、医学的に発展させようと当時の荒削りな「志」も感じられます。
しかし、それがすっかり志も無くし、定義も当時のままどころか「指圧は拇指でツボ押し」となって、上記の内包していたあらゆる手技療法はバラバラに細分化、指圧養成学校で「古法按摩」「導引」「柔術活法」「整体」「療術」「カイロ」「オステオパシー」「スポンディロセラピー」を個別に、意味も含めて学べる学校など無いに等しくなってしまいました。


併せて考えなければならないのが、定義され形骸化した国家資格も問題でありますが、整体やカイロも名称と技術はバラバラのメチャクチャです。先に参考として出したJACの様にカイロ団体として一定の知識、技術を保証したりするところもありますが、多くは言った者勝ち、やった者勝ちです。自称が当たり前に通用するのが手技療法業界です。あなたも今からカイロプラクターですし、オステオパスで、整体セミナーを明日、公民館で開催できます。
とだけ書いておくとバランスが悪いので更に付け加えると、あマ指の国家資格を有する者にも経験や知識が乏しいにも関わらず、指圧の発展を理由としない、個人の営利目的とした一般人相手の指圧治療教室(セミナー)を行う人間も少なくありません。
(こう言った、云わば内々の恥を明文化するっていうのも複雑な心境であるのですが)


ザッと過去からをまとめましたが、国家資格で定める手技療法があいまいな為に、整体、カイロの看板は今後も増え続けていくでしょう。そして、何かしら大きな社会問題となった時に、資格と定義を改める事になるのでしょう。60年前の指圧法制化のドタバタと、どさくさを愚かしく繰り返す、当時の志ある治療師の方々が現状を知ればどれ程に嘆くことでしょうかね。


※指圧法制化に反対して今日まである指圧以外の手技療法団体もキチンとまだあります。

財団法人全国療術研究財団
http://www.ryojutsu.or.jp/

全国療術師協会
http://www.ryojutsu.or.jp/zenryoukyou.html

一般社団法人 身体均整師会
http://www.kinsei.ne.jp/index.html





指圧治療も保険診療が出来ればね。。。とは、我々も患者さん側も昭和の頃から日常会話で出ていました。あマ指資格は国家資格の医療資格であるので当然治療を目的とした施術は健康保険が適用されるのですが、保険が適用される患者さん側の症状、医師の同意書が必要、1治療部位の保険点数金額などと、健康保険を用いた治療を行うには個人(一治療院)として少々難しい仕組みとなっています。現状では訪問マッサージの現場にこの保険の仕組みは軸を移している形ですね。
実際問題、医師の同意書が必要という時点で昭和の頃から病院のリハビリテーション以外の場で、あマ指の治療が保険適用で施術されていた話はほとんど聞きませんでした。


で、昨今。
マッサージや整体がこれほどまでに日本中に氾濫してきますと、これまで曖昧模糊としていた部分がいろいろと浮かび上がって、我々だけでなく利用する側である患者さんにも「???」と疑問が湧いているのを日々実感します。


あマ指や鍼灸接骨院の柔整、これらの医療資格は、戦後から今日まで曖昧な医療資格であった事に変わりはありません。現代医療に対してカウンターと言うよりは、その下位、隙間である病院に行く程でないがツラい身体の諸症状に対する、「準」医療資格と言いましょうか、メインを張れないポジションと言いましょうか。。。この原因も実は我々側にあって、技術と理論の統一どころか、業界としても大きくまとまった事が法制化以降一度もなく、慰安に堕したあん摩・マッサージ。一人一流派の無定義指圧。と内外から揶揄される事に他なりません。


ただ!
ただ、何十年もその様な現状に嘆くだけで何ら行動しなかった訳ではありません。あん摩・マッサージ・指圧、鍼と灸、柔道整復師。(プラスで国家資格でない、一部のカイロや療術の古参組織も含め)真面目な治療師、団体はそれぞれの思惑で「良くしよう!良くなろう!日本の手技療法は医療レベルでも十分な技術だ!」と頑張って(は)居た、居るのです。


が、
ただ!!
世の中の市場原理主義と良いのでしょうか?規制緩和と自由化と言うのでしょうか?
国家資格の有無が実質無意味になっている件。
整骨院接骨院や、介護マッサージでの後を絶たない不正な保険診療
ルール無用となり、技術や価値は崩壊しているのが現状です。
手技療法は結局のところ実費による自由診療でしか業を行えなくなってます。


以下は参考までに日本における手技療法の保険診療や、治療内容の解釈の資料です。


H28年度柔道整復、鍼灸マ料金改定がほぼ決定!0.28%” 全国柔整鍼灸協同組合


あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定について(案))※PDF

はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について)※PDF


自分の様に自由診療で行っている人間には正直、上のお金の話はピンときません。保険も自由もどちらも大変だな、楽な治療は無いなと。
一箇所数百円、一回に請求できる治療部位は2点まで(仮定)、従業員やパートを使って患者さんの症状からして何回、何十回通ってもらい、手を使って、電気使って、治療効果を云々、物販も含めて・・・う〜ん。
2,30年前と違い、詳細な金額や手続きがオープンな現代では昔よりも一層の経営センスが必要なのでしょう。「うまみ」も今や皆無(と昨日聞く)と、治療も慰安も含めた手技療法界は、済し崩しに数年で大きな変化が見られるのは間違いなさそうです。


そう。日指会は60年前に今日の様な状態を経験しています。


今、過去から学べる事は
「患者が10倍に増える!治療院経営セミナー」
(但し講師は異業種やよく分からない経営コンサル)
「患者が喜ぶ!儲かる最新治療テクニックセミナー(もしくは学校、教室)」
(但し講師は臨床経験3〜5年。よく分からない整体、カイロ団体卒や所属)
といったDMやサイトや勧誘に惑わされる事のない様に。
60年前の会報にこうあります。
「嘘、でたらめ等を吹聴してまわる輩、団体がいるが惑わされぬ様。地に足付けて何が正しいのか考えろ」と。


個人で開業する時代は過ぎましたし、必ず会に属する時代でもありませんが、臨床に携わる治療師は、治療技術と知識を磨いて学んで、これを止める事無く「しか」出来ません。



去年の研修会で出たキーワード「活殺自在」
小川先生の特別講義で圧のかけ方の実技で、合気挙げや自身の身体を持ち挙げ難くする身体法を学んだ際、指圧に内包する柔術活法とは、いわゆる合気柔術で、身体を壊す術を裏返すと活かす術となる、それを表す言葉で活殺自在と古い言葉もあって――と、研修会で話していました。小川先生の何万回四股とか、力で押すと壊れ、変形する指圧師の指も、正しい押圧は指も壊さないし、例え今の何倍もの患者さんに押圧しても疲労しないと、面白可笑しく冗談交じりでの研修会でしたが、武術と指圧の関係の話の際に「あの先生は合気柔術の佐川先生のところに見学に行ってたり、否、あの先生の感じじゃ学んではいないな(笑)」とかありましたが、そうだそうだと思い出しのたのでこちらに追記でメモしておきます。


極真空手創始者大山倍達という昭和の巨人がいました。その大山倍達先生の著書「強くなれ!わが肉体改造論」という本がありまして、夢とロマン溢れる良い本で、その本の130頁

そのなかに大山倍達先生は、操体法橋本敬三先生の著書「身体の設計にミスはない」を、たまたま拝読し我が意を得たと記しています。

武術と手技療法は以前、もう少し近い感じでしたが今では細分化し過ぎて今では距離がある感じですね(一般論として)
あの拳で語るイメージの大山倍達!が操体法やツボ、経絡に言及しているなんて意外に感じる若い方も多いんじゃないでしょうかね。


今も昔も身体に関する事に関しては垣根無く「活殺自在」。改めて治療の幅を考え直すのに、このキーワードを再考してはいかがでしょう?昔まとめた日指会本でも紹介しましたが、チン・ゲンピンと柔術と整復術などは現代医学に埋もれがちだけど目を通しておくべき歴史であると思います。今日では「武術整体」などとの言葉を見かける頻度も増えましたがどうでしょうか。日本手技療法の歴史、ちょっと興味が湧いてきませんか?




※個別に質問された件
「あマ指資格は取る価値あるか」
若い人たちは手技療法界の経緯も分かりませんし、これ程に技術や学校、民間資格が乱立、ネット情報氾濫ともなりますと、ごもっともな質問ですね。ここ(はてな)の昔の記事にも「こんなにも形骸化したあマ指資格を得る意義は?」とあります。


私個人としての今現在の考えとしまして。上記の日指会の歴史から考えますと「何かしら効果を期待して業を行う」のであれば、国家資格である「あマ指」があれば、治療、介護、スポーツ、慰安、美容等々に何ら不安無く仕事として行う事が出来ますから、指圧資格が法制化された理由を鑑みますと「取るべき」と考えます。療術(整体)など、民間資格は時代時代でその価値が指圧以上にあやふやな為に無意味ですし、理論と技術は指圧に内包されています。端的に言えば、行う事が同じもしくは似たものであれば、名称がどうあれ国家資格が有効の一択と言う事です。特に地方知事認可資格から国家資格に統一されて以降は、基礎医学を一定の学力で担保されている国家資格として、患者さん側の安心を得る事も出来ます。
(p.s. 蛇足ですが、平成の初めには療術とカイロが頑張って、形骸化した国家資格あマ指のカウンターとして、良い所まで活動されたのですが…)





それではまた。時間のある時に。
(偉そう)



日本指圧師会

郄木剛太




*日指会のメインサイトは引っ越ししました。

 新しいアドレスはこちら→ https://nihonshiatsushikai.jimdo.com/

日指会の友【64】

平成29年2月16日(木)
日指会研修会の雑記

研修会参加された皆さん、いつもご苦労様です。
遠くから参加される先生方に会う度、私も気が引き締まります。
今回はいつも会報に書いている研修会報告を崩して更新が滞るはてブに雑記を記しておこうと思います。肩の力を抜いてどうぞ。


◯藤沢・若美治療院の小川先生の特別研修会も今回で5回目。
AKAテクニックがメインとは言っても、毎回治療師用身体造りの鍛錬法や身体操法、ヨーガなどなど、日々患者さんに「手で」接する我々にとってためになる内容です。

指圧は法制化された際に、日本指圧師会初代会長である中村学文医博が言われた通り、法制化の際に定義された指圧法基本形は、あくまで療術など日本手技療法の未来の発展の為の「最小公倍数」である。と言われた通り、常に(時代に合わせた)技術の向上、柔軟な応用、変化と修正が求められ続けるべきでした。
が、国に認められた資格と、分裂した各流派で「枠」が出来た為に指圧は70年近く「生きた化石」の様になってしまっているのが現状です。その証拠が指圧=拇指で押すマッサージが未だに社会的認知です。

話が雑記から反れました。

この様に日指会は治療効果のある手技テクニックなら何でも学ぼうとのスタンスが昔から大きく変わらずに今日まであるため、今期の小川先生が研修会で行った内容が実現する訳です。これは組織が細分化し続けている我々の業界で組織的には稀有な事ですよね。


◯遠路からの先生と雑談。
ダイレクトメールで整骨院宛てに「健康保険治療に未来はない」の見出と共に、その治療師独自開発した…とは言っても他所からの流用やアレンジのテクニックを60万でセミナーに参加しないか、や、これからの治療院経営に必要なノウハウを教えるセミナーが頻繁に届き、業界の不安定さを実感してるなんてのを伺う。自分は指圧の人間だから実感無かったが柔整の先生らは今、業界の不安定さから、いろいろ不安を煽られてストレスも多そう。都市部よりも地方の方が不安を煽ってセミナーに呼び込む案内が多い様だ。
って言うか、医道の日本誌でもこの様な本が出るくらいだものと実感。

即実践! 受療率1ケタ時代を生き残る鍼灸院経営術 2,700円(税込) 医道の日本発行


◯「チクチク・ドン痛の法則」は発見した郄木幹市会長が会を主導していた時代に、新人研修会から整體塾に至るまで骨格異常の判断として日指会では用いる先生方も多く、長年重宝されてきたものです。
チクドンの法則では無いのですが、今回の研修会、足の太陰脾経「陰陵泉」でへぇ〜とかはぁ〜とか確認の重要性を再確認したものです。経穴操作ってのは、冒頭の指圧に対するステレオタイプ的ですよね。


◯親御さんの介護で参加出来なかった先生からの知らせが事務局に入っていたり、参加される皆さんも貴重な休日を勉強に割いたり、一昔前の研修会よりも毎回参加される先生ら一人一人の本気度には頭が下がります。それこそそれに応えるべく毎回「内容充実過ぎですよ」って自分が言う程にハイレベルな講義する小川先生にも頭が下がりっぱなしです。

それもこれもあり、自分も今回は気を引き締める意味で治療着で研修会に参加した次第です(笑)


さて、更新しないと注意される言い訳の雑記はこの辺りで。。。
日指会本の進捗状況を日指会好きの方にお知らせ出来る様、頑張ります。

日本指圧師会
郄木剛太


*日指会のメインサイトは引っ越ししました。
 新しいアドレスはこちら→ https://nihonshiatsushikai.jimdo.com

ついでと言っては何ですが…

忙しいと言って何ヶ月も放置していますと呆れられてばかりなので、個人的に業界に限らず、身体と健康に関するブックマークをメモしておきます。普段はツイッターをメモ代わりに投稿していますので、こちらにも少し記しておきます。

前の記事の通り、昨今のテレビやネット、書籍の情報は正直、取捨選別が出来るものではありません。科学的根拠が有る無しに関わらず、極論vs極論が日替わりで飛び交う異常なものです。ここにメモするものも、明日には正しい、誤りが逆転しているかも知れません。それも踏まえた上でどうぞ。監修元が分からないもの、学術的にどのレベルの論文か分からないものがどれ程に氾濫しているか分かると思います。そしてその中に的確な正しい情報も紛れているのです。メモしてる自分が混乱してくる訳です(笑)
(以下の紹介は日本指圧師会としてではなく、一会員として紹介しています)


「体質」を知れば、病気は防げる!](週刊現代

 *以前よりこの朝日新聞のネット記事は紹介しているが、よくまとまっているので再掲。

きりがないのでここで日指会を紹介していただいたページを貼って終わりとします。

日本指圧師会](医道の日本)


日本指圧師会
郄木剛太

日指会の友 【37】

*7年前の記事です。現在では動画を消しています。ご了承下さい。

「文化は進んだと言はれますが、たとへば人間のからだは原始人のそれにくらべて、果してどれだけ丈夫になつたでせう。野蛮人の健康をお互ひ文化人は、どこに一たい落して来たのでせう。文化は進んでも、そこに住む人々は決して仕合せにはなつて居ません。曲がつた背骨と歪んだ蒼白い顔、薄つぺらな胸、マッチの棒のやうな手足、そしてその間に食ひ入る幾億の細菌——————」
 高橋迪雄著 「正體術矯正法」より

 空前の酷暑、皆さんいかがお過ごしでしょうか?慌ただしさも、猛烈な暑さが加わると、日指会広報活動も疎かになりがちでイカイカンと自戒しの、今回の更新です。

 しかしこの暑さです。脳味噌も溶解している様な思考力の低下がみられますので(笑)、動画の紹介をします。下手な駄文を長々書かれるよりも良いかと思いまして。


http://www.youtube.com/watch?v=AazkvNlKxn0


http://www.youtube.com/watch?v=8u7332KCItk

 広報の方で仕事の合間に急ごしらえして貰いました。1回目は高木次雄会長のダイジェスト、2回目は小川悦司部長のダイジェストとなっています。
2時間の講義の中から、当たり障り無い箇所抜粋ですが見る方によって様々な感想が得られそうな動画ですね(笑)
 治療補助器具が出て来たりして、指圧関連動画の中でも異色の出来ではないでしょうか(笑) 「あん摩師」や「マッサージ師」と同じ国家資格である「指圧師」ですが、以前引用で紹介しました「指圧師は一人一流派」と言われた事がある様に、それぞれ指圧師の積み重ねた臨床経験からの手技は大変にユニークであります。
 国が決める「指圧定義」が曖昧である為に「指圧手技統一」が出来ない、そして「人間の身体に、手などで治療効果をもたらす」と云う大変に難しい部門である為に、決められた統一手技や理論で治療効果をあげる事が難しい、故に治療師ごとに、その受け持つ患者さんによって試行錯誤と改良改善を日々繰り返し、その時代、その地域に合った指圧法、治療法を模索し、更に高い治療効果、一日でも早い患者さんの改善、一回でも少ない治療回数、多くの指圧師はそれらを目的としますので、それが指圧の持つ意味合いの広さと、一般認識との誤差の一因であるのです。(整体はもっと広義の意味を含んでいます) 

 動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」にて視聴して頂くと、右枠に関連動画が表示される訳ですが、「指圧」とタイトルにあった場合、「整体」とタイトルにあった場合、一般の認識やネット上(YouTube上)での認識が分かりますね。今回改めて実験的に研修会の動画をアップしてみましたが、良い面、悪い面、指圧と整体をアピールする際の問題点が新たになった気がします。

 日本が世界に誇れる、独自の発展を来て来た「指圧」と、完全何でもあり状態の「整体」、それを研鑽し職業とする私達。慰安や癒しなら良いのですが、医療目的で行う場合の時代に沿った活動は、今後も大きな課題です。
 とにかく、指圧師は一生勉強日々勉強です。臨床に携わる指圧師同士、治療師どうし、暑かったり、忙しかったりしますが、お互い手を取り合って努力して行きましょう。日指会研修会でお待ちしております。

ネット運用の見直しをしました。


月日の速度は年々早くなる一方ですね。
久方の更新は、日指会ネット活用変更のお知らせです。

日本指圧師会では地味ながらインターネットで広報や啓蒙活動を行って来ました。しかしながら、なかなかネット管理まで時間が割けず内容的にも中途半端が続いています。当初は様々なネット活用法やコンテンツをと計画はありましたが、時間と人手が足りる事は今日まで無いのが実際となっています。

年間ランニングコストと日指会の効果を天秤にかけ、日指会ドメインとサーバー代に対しての
費用対効果は無いと、この1〜2年様子を見ていて結論付けました。

そうこうしている内にインターネットの様相も変化して、最近ではネット情報の危険性やリスクがニュースになる様になりました。キュレーションメディアと呼ばれるネット情報から、グーグルの検索結果の見直しや、詐欺的広告でツイッター社の責任を問われると言った変換期にもなってきました。

反面、良い情報も悪い情報も手軽に発信出来る時代にもなりました。ネットの無料サービスも信じられない程に便利になりました。

それら、時代の変化を鑑みてドメインやサーバーに費用をかけるまで日指会はネットに発信する情報は無い、ましてや、いい加減な情報を発信する訳にはいかない、日指会の身の丈にあった情報発信であるべきで、それの活用ならばネットの無料サービスを活用した方が金銭的にも時間、人手の効率化に繋がると考えまして、このはてなブログツイッターはそのままに、これまでの日指会サイトで掲載していた研修会や会報のお知らせを無料ホームページサービスに移行させる事にしました。

これまで通りの情報発信となりますので、特に日指会会員の皆さんには不便をかける事はありません。ただサイトのブックマークされている方は変更をお願いします。


新サイト
【 日本指圧師会 】
https://nihonshiatsushikai.jimdo.com/

旧サイトは今月、2月末で閉鎖する予定です。
新サイトへのリンクは、はてなブログツイッターに記載済です。

日指会ツイッターアカウントは「 @nishikai_info 」です。



何か不備がありましたら2月16日の研修会の際やメールかツイッターでお知らせ下さい。

(時間が無いから急いでお知らせをはてなに書かなければと思っていたら無駄に長い文章になってしまいました。引っ越しのお知らせだけなのですがねぇ)

日本指圧師会事務局
高木剛太

昔の整体紹介冊子


「あら懐かしい!昔、開業当時の治療院受付に置いてたな〜」と、本年度の研修会仕切りをお願いしている、藤沢「若美治療院」院長 小川悦司先生が先月の研修会前に事務局に寄っての一言。
掲載したこの冊子「日本医学 整体療法のお話」は、日本指圧師会30周年記念で作られ、当時の会員に配布された患者さん向けのもの。故・杉山繁先生(木更津:指圧の杉山)の生前に「雑多な蔵書から日指会の資料になれば」と送って頂いた資料の中にまぎれていたものです。

研修会前に小川先生と話をしていて「この冊子、文章もイラストも日指会のコピーライトなんだからサイトで掲載したら?」と提案され、確かに眠らせておくのももったいないので日指会のサイトに掲載の編集を始めた所・・・

う〜ん難しい(笑)。。。
掲載する内容の文章、当時の会長、高木幹市のものですが、何と言いましょうか、時代にそぐわないと言いますか、昭和のテイストに溢れて誇大広告気味と言いますか。。。

ただ、中医学、漢方を主とした東洋医学でも、現代医学、当時のカイロプラクティックとも違う、型にはまらない日本独自の手技療法としての「整体」を日本医学と称して解説しているので、近いうちに、少し加筆修正して抜粋掲載したいと思います。

当時の日本指圧師会、潤沢な資金があったんだなぁ。

(高木剛太)